小さなYesに縛られる

見るだけのつもりが熱心な店員の「試着してみませんか?」に押されて気付いたら買うつもりのない服を買っていた。

こんな経験はないだろうか?

しつこく試着を求めてくる店員は不景気で困っているわけでもノルマに追われているワケでもない。店員は知っているのだ。試着さえすれば、あなたが買うことを。

人は最初の依頼に対してはフリーだ。拒否することも承諾することもできる。しかし、最初の依頼を受けたら最後、次の依頼は最初の依頼のようにフリーではない。最初の依頼を承諾したあなたは次の依頼に対して「よくわからない強制力」を感じ、その強制力にあなたの選択肢は奪われる。

これが段階的要請法、「フット・イン・ザ・ドア」だ。

このテクニックは何も難しいことはない。要は「相手に何かを承諾させたければ、まず小さな要請から始めて、徐々に要請を大きくしていく」それだけだ。

どんなに小さなことでもいい、とくかく相手に「Yes」と言わせよう。