何かを決断する際、取るべき手段、選択肢はあればあるほどよい。

なるほど、そうだ。選ぶ道が沢山あれば、戦略の幅も広がるし、うまくいく可能性も高まる。

しかし、相手に何かを決断させる時、この考えは誤りとなる。




一般的には、選択肢が多いほど好きなモノが見つかり、それが行動への引き金になるされる。しかし、実際には逆だ。

あなたが相手にやって欲しい事を沢山並べて、この内、どれかをやってもらえないかと頼んでも、恐らく相手はどれもやってはくれないだろう。というのも誰もが選択を誤りたくない。人はみな、あとになって、あれにすればよかったなどと後悔したくはないのだ。

選択肢があまりにも多すぎると、大抵の人はすくんでしまい、逆に選べなくなる。数が多いと比較するのが大変になり、「選択しない」という「選択」をするのだ。例え一旦、決めたとしても「本当にコレでよかったのか?」と自問することになり、悩みの種になる。

逆に選択肢が少ない場合はどうだろう?選択肢が少ないほど、早く決断できる。しかもあとになってくよくよと考えることも減る。なんとも楽だ。

品揃えが勝負でない限り、相手に提示する選択肢は3つまでにしよう。できれば2つがよい。

この時、注意したいのが選択肢を与えないこと。人は選択の余地がないと、逆に自由が阻害された気分になる。しかし、例えどんな選択肢であれ、1つでもあれば、選ぶ権利をもらえた気分になる。

「自分で決断した」「自分の意志で決めている」という感覚が非常に大事なのだ。