日本人は小さい時から時間は必ず守りまなさいと教えられてきている。特にビジネスの場では時間を守ることは常識中の常識。新人教育で徹底的に叩き込まれる。

相手がビジネスの取引先であれ、友人であれ、恋人・妻や夫であれ、待たされると、ほとんどの人がイライラして怒り出す。これは当然の反応だ。

だから、時間に遅れる側は遅れることがわかった時点で相手に対して申し訳なく思い、負い目を感じる。

この相手の負い目を逆手に取れば、とんでもないチャンスになる。

待たされても、相手が来たら、大喜びして迎えよう。

相手は当然、顔を合わせるなり、「すいません」とか「申し訳ない」と、遅れてきたことを謝罪するだろう。それに対して、「よかったよかった、心配したよ。よく来たね」といって、ひたすら喜ぶ。しかも全身で喜びを表現すれば、より効果的だ。

相手にすれば、待たせた相手から大喜びされたという経験はほとんどないだろうから、「こんないい人、他にはいない」「私のこと、こんなにも待ってくれたんだ」などと、勝手に良い方へ解釈してくれるだろう。

特にビジネスの場では、約束の時間に遅れてきただけでも負い目になるのに、その非を責めるどころか、「よく来てくれた」と大喜びされては、ますます負い目を強く感じることとなり、あなたに対して何らかのお返しをしなければいけないと解釈するようになる。

しかも怒りへの恐怖心から感じた負い目よりも、より好意的に相手が自分のために動いてくれるので、これほど役に立つチャンスはないだろう。